腰痛の原因 骨盤の深部筋

腰痛の原因について、あまりポピュラーでない原因についてお伝えしたいと思います。

念のため最初にお伝えしておきますが、腰痛の原因は1つしかないと思い込んでいる方は考えを変えてください。

「どこが悪いから腰痛なんですか?」と聞かれることがよくありますが、なぜか原因が1つだけだと思い込んでいる方がけっこう多いように思います。さらに悪いことに、腰の悪い人はみんな同じ所が悪いはずだと思っている方もいます。

そんなわけありません。各個人によって具合の悪い部位は違いますし、どこか1つの筋や関節、靭帯のせいで痛みが発生しているなんてこともありません。大雑把に言うとお尻、お腹、首、肩、背骨のバランスのほとんど全てが悪いから腰痛になるのです。

腰痛の人がマッサージなどに行くとよく腰回りの筋を一生懸命もんでくれると思います。もうちょっとマシなところだとお尻も一生懸命もんでくれるでしょう。腰が悪い人はまぁそこも悪いのですが、大元の原因はそこではありません。が、一般的にはあまり知られていないようですのでご紹介したいと思います。

今日ご紹介するのは骨盤の奥の方にある深層筋です。

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大腰筋さんと腸骨筋さんです。下に書いてある腸腰筋というのはこの2つが合わさった部位で、名前を合体させただけで別に腸腰筋というものが存在するわけではありません。

腸骨筋というのは一般に腰骨と呼ばれる(ウエストにあるゴリゴリした骨です)骨の内側についている筋。そして大腰筋は腰椎(腰のあたりにある背骨)の前側から足の骨につながっている筋肉です。この2つはけっこうな確率で腰痛の原因の1つです。

これらの筋はどこかを動かすというよりは、動かさないようにする作用が強い筋肉です。姿勢を維持するために使われる筋肉なんですね。だから疲れやすい。あ、わかりませんね。解説します。

筋肉は基本伸びたり縮んだりして関節を動かすものですよね。筋肉には実は関節を動かす以外に、血管(静脈)を動かすという働きがあるんです。動脈は心臓からの圧力で血液が流れますが、静脈にはそのような直接的なポンプ機関がありません。あまり知られていないかもしれませんが、筋肉が静脈のポンプの役割をしているのです。伸びたり縮んだりすることで静脈自体をポンプして血液に流れを作っているわけです。

ところがこのあまり伸び縮みしないで一定の長さのまま固くなって、姿勢を維持する筋肉には静脈ポンプの役割が期待できません。

筋肉も血液から酸素やカルシウムといった栄養素を補給してもらわないと疲れてしまうんです。栄養がなくなった静脈血が筋肉に溜まってしまうと、新しい栄養に富んだ動脈血が入ってくることができません。で、筋肉は栄養不足になって疲れきってしまい、姿勢を維持するという本来の役目を果たすことができなくなるわけです。筋肉は緩むためにはカルシウムが必要なんです。古い血液が溜まってしまい、カルシウム他を含んだ新しい血が入ってこれないから筋肉が機能しなくなるわけです。

大腰筋、腸骨筋が栄養不足になって姿勢維持の機能を果たさなくなり、腰痛の原因になっているということがけっこう多いわけです。

さて、これらの筋のケアの仕方ですが、大きく2つあります。緩めるか鍛えるです。緩めるのはストレッチをすればいいわけですが、腰痛まででてしまってる場合は自分ではなかなかむつかしいかもしれません。今回は鍛える方法をお伝えします。

ずばり「もも上げ」すれば鍛えられます。

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90°と書いてますがべつにそれ以上でもかまいません。がんがん上げてください。1週間くらい続ければけっこう腰痛が軽減するケースがあります。試してみてください。