頭痛の原因 その2 当院でどうにかなる頭痛
さて、では当院で対応できる頭痛についてです。
頭痛があって、背中、肩甲骨の間に痛み、もしくは不快感をお持ちの方は是非最後までお読みいただくことをオススメします。ちょっと長いですが・・・・
前回のは脊髄の硬膜に穴があいているため、外科的な処置をしないと良くならないものでした。しかし、そのような原因をお持ちの方は頭痛患者の1%にも満たないと思います。
今回は大半の方に当てはまる事例です。
結論から申し上げます。脳脊髄液の循環不全が原因です。緊張性頭痛と呼ばれるもののほとんどがこれです。
そうですね。なんのことかさっぱりわかりませんね。順を追って説明いたします。解剖学的な話から始めますが、頑張ってついてきてください。
脳脊髄液(cerebro spinal fluid:以下CSF)とは、脳ミソの外側にある血液由来の液体です。脳ミソをお豆腐とします。そのままお鍋にいれて持って帰ろうとしたら、くずれちゃいますよね?そこでお水をいれると安定してお豆腐の型崩れがおこらないですね。このお水のことです。
脳ミソと頭蓋骨の間にCSFというお水をいれていることで、脳ミソの型崩れを防いでるわけですね。
さて、このCSFは脳室(脳ミソの内側)にある脈絡叢というところで作られます。そして古くなったCSFはクモ膜顆粒と呼ばれる部分から静脈に回収されます。
そしてそのCSFは脳ミソのまわりだけでなく、脊髄神経の周りも循環します。骨髄バンクなどで行われたりする、脊髄穿刺というのは腰のあたりに針を刺してCSFを採取しますが、それからもお分かりの通り腰の下のほうまでCSFは循環しているのです。結構な距離ですよね。
では、その結構な距離の循環は何を動力源として行われているのでしょうか?。
呼吸によって、頭の方にある頭蓋骨と、腰の下にある仙骨が動きます。この動きがポンプの役割をしてCSFを脳ミソ周りから、脊髄の下の方、腰のあたりまでぐるぐる循環させるのです。
このポンプが作動しないとどうなるのか。同じCSFが脳内に滞留して、脈絡叢が「あ、CSFいっぱいじゃん」と勘違いして新しいCSFを作らなくなります。しかし、静脈のほうは機能してCSFを排水するものですから、脳頭蓋の中の圧力が下がります。圧力がさがると頭痛が発生するんです。
後頭骨が動かなくてCSF循環がうまくいかないケースが大半ですが、腰痛などの異常により仙骨が動かないため頭痛を発症する方もいらっしゃいます。まれにお尻からコケて、仙骨の位置異常が起こりCSFの循環不全を起こされる方もいらっしゃいます。
そのほか意外に多いのが、胸郭の可動性低下によるCSFポンプ機能異常です。後頭骨と仙骨の間にある胸郭(肋骨とか背中、肩甲骨のあたりのことです)がうまく動かないと、ポンプの作動リズムがうまくとれません。この部分が結構見逃されやすいところなんです。
頭痛専門整体というところが最近では結構あったりします。後頭骨の動きだけつけて、CSF循環不全をどうにかしようとすると、それだけで回復される患者さんもいらっしゃいますが、胸郭などにも原因があった場合、根本治癒にはいたりません。
頭痛があって、肩こりがひどく、背中、肩甲骨の間に不快感、痛みをお持ちの方は一度当院を受診されてみてはいかがでしょうか?他でとれなかった頭痛、背中の不快感を根本から良くします。